コラム

食欲・運動・学びの秋。それ以上に草深教会は誓約の秋

牧師 飯田啓子

 9月第一主日を“振起日礼拝”として守る教会、守っていた教会があります。私の母教会でも長く振起日礼拝として守っていましたが、今はこの名称では礼拝を守っていないようで残念…。
 未だ8月31日までが夏休みだった時代。9月の第一主日は休み疲れと夏バテでヘトヘトでした。そんな時、教会学校の説教の第一声が「今日は振起日。イエス様に揺り動かされて目覚める日」でした。主日礼拝説教の第一声も「振起日です。主イエスに叩き起こされて目覚める礼拝です」でした。
 振起日。振り起される礼拝の日。布団に潜り込んで寝ている時、その布団を捲り上げながら起こされる。それでも枕にしがみ付きながら、起きようとしないと、今度は身体全体をゆさゆさ揺らされて漸く目が覚める。振起日はそうやってイエス様に振り起こされる礼拝の時です。
 心機一転の心機でも、新規契約の新規でも、心気や辛気でもない。そして奮い起こす奮起でもない。夏バテしている身体も祈りもイエス様が揺り起こして目覚めさせてくださる。小学生の頃はこの話を聞く度に、イエス様=オロナミンC(栄養ドリンク)でした。
 9月の礼拝招致として「わたしが同行し、あなたに安息を与えよう」(出エジプト記33章14節が与えられました。振起日礼拝の黙想の中で与えられたものです。猛暑から解放されて緊張が解け、そしてチャレンジの気分が溢れてくる。美味しい物に舌鼓を打ち、身体を解す運動を再開し、何も受け付けなかった脳への刺激対策で知識を取り入れる。厳しいと言われる夏の暑さから、厳しい冬の寒さの間にある再開と備えの秋。存分に秋を楽しみながら、全てのスイッチを押し、止めるのは神様だけだということを覚えることを二の次にしないようにしましょう。何時も罪人と同行し、安息を与えてくださっている神。天の安息を生きる者となるために、何時も同行してくださっている神。この安息のために安息され、十字架にかかり、聖霊の導きを与えてくださっている三位一体の神。この神が同行してくださっている。何という不思議な幸いと安心でしょうか。肩の自力を抜き、十字架に背負われ担がれている敬虔と畏敬が始まります。
 そしていよいよ9月25日は牧師就任式が行われます。就任式の中心は誓約です。この教会を天の安息に向けて同行してくださっている神様の御前で行う誓約です。草深教会2022年の秋は何よりも誓約の秋です。始めてくださった神が最後まで同行してくださる。その信仰と信頼を誓約として献げたいと思います。